診断書とは何か
医師が患者を診療した際に得られた医療情報を文書に表したもので、この形式のものは「診断書」という名称であれ、「証明書」という名称であれ、広義には「診断書」です。
診断書に記載する内容は、患者情報(氏名、生年月日、年齢、住所、性別など)、日時(受診日、発症日、治療見込みの期間、治癒日、死亡・出生年月日)、問診(既往歴、主訴、現病歴)、身体所見および検査結果など、病名、症状の経過、処方や処置内容などですが、診断書の目的により不必要なところは省略します。
診断書の作成について
医師法19条2項により、医師は「患者から依頼があった場合には正当な事由がない限り診断書作成を拒否できない」と規定されています。 また、医師法第20条では、「医師は自ら診察しないで診断書を交付してはならない。」と規定されています。
従って、患者側が診断書を要求すれば拒むことはできませんが、診断書を記載することができるのは、医師のみです。(医療事務員や看護婦は記載できません。)
また、個人情報保護法から、診断書は当該患者(またはその患者から委託された者)から依頼された場合のみで、当該患者の承諾なしに、会社や学校、保険会社から依頼されたとしても作成できません。
診断書の必要性について
基本的に診断書が必要なのは、患者本人でも医師でもなく、その提出を命じている側(職場、会社、学校、保険会社、裁判所など)です。 どのような目的で診断書が必要なのかは提出を依頼する側によって様々ですので、その内容をきちんと医師(医療機関)側に伝えなければなりません。
たとえば、受診したかどうかの確認であれば、病名と受診日の記入のみでよいですが、「休業が何日必要であるかなど」を伝えるのであれば、その旨の記載も必要になります。
診断書の書式・様式があれば、まずそれを最初にお見せいただくのが最善です。
特にご注意いただきたいのは、インフルエンザなどの学校伝染病に罹患した場合の診断書です。
罹患証明(病気になったことの証明)、あるいはそれに要する療養期間の見込みなどは、初回の診察時に記載することはできますが、治癒証明(治ったという記載が必要)、治癒日時、さらには、「感染の恐れがなくなったので〇月〇日から出席してもよい」などの文面記載が必要な場合は、治癒を判断する必要があり、登校する前に必ず再診いただかなければなりません。
上記、医師法第20条では、「医師は自ら診察しないで診断書を交付してはならない。」とありますので、医師が治癒を確認していない以上、治癒証明は記載できません。。
診断書代について
公式な診断書代というものはありません。各医療機関で診断書に関する費用は様々です。
また、診断書代は保険診療ではなく、自費診療(医療機関では雑収入扱い:消費税対象項目)となります。
記載の内容によっても費用は様々ですが、一般的には1,000円~10,000円程度と思われます。
当院での費用については、上段タグの「自由診療」をクリックし、「診断書代」の項を参照してください。
学校保険安全法に関わる診断書については、所定の用紙に記載する場合は、医師会からの要望があり、無料で作成いたしております。所定の用紙がある場合は、できるだけ速やかにその用紙を持参し、記載すべき内容の確認を行ってください。特に、治癒日や登校許可の証明が必要な場合、再診されずに先に登校してしまったケースにおいては、後で受診されたり、診断書を持参されたりしてもその証明は記載できません。
学校保険安全法に関わる診断書について所定の用紙がない場合、大阪府学校保健医会から提供されている様式での診断書発行は無料とさせていただきますが、独自の診断書が必要な場合は、診断書代を徴収させていただきます。
阪南市内の小・中学校の健康手帳(カード)への罹患証明も無料としています。
- 診断書代に関して、一部の私立の学校や公立高校が誤った内容を生徒に説明していますので注意してください。
- 「診断書」でも「証明書」でも原則、費用はかかります。 「診断書」が有料で「証明書」が無料などということはありません。
- 「学校所定の用紙を持参すれば、無料で診断書を発行してもらえる」ということはありません。
診断書代が必要かどうかはあくまで医療機関側の事情であり、有料であることが当然です。
当院では、医師会の要望により、学校保険法に関わる診断書は原則、無料にしていますが、これは当院の方針(サービス)であり、すべての医療機関がそうであるとは限りません。