IT

IT化

 今や電子カルテシステムは医療機関では標準となりましたが、約20年前、当院開設時では電子カルテを導入した施設はほとんどなく、悪戦苦闘してまいりました。 平成24年から導入した診療支援システム(RS Base)によりそのメリットが大いに生かされ、今日の診療を支えています。現在、カルテ部門はもとより、血液検査、院内尿検査、心電図、呼吸機能検査、レントゲン写真、内視鏡検査、超音波検査、皮膚科写真などほとんど全てが電子媒体として保存しています。
 また、他病院で施行された画像も電子媒体で提供されたものは、当院で施行した検査と同じ条件で保存・閲覧することができます。 このようなデータは10数年で、30万件となりました。

電子カルテ

 保険医療機関は、患者を診療した際、その代価の大部分を保険者(市町村国保や健康保険組合)に請求します。これに必要な明細書をレセプトといいます。レセプトは患者氏名、保険者番号や病名等を記入した上書き部分と、検査や投薬などの診療報酬点数の欄などで構成されています。この情報を作成するコンピューターを”レセコン”といいます。診療録(カルテ)には、レセプト請求するのに必要なすべての情報が記載されています。したがって、診療録とレセコンを一体化させることは合理的であり、これが、電子カルテであります。 電子カルテを用いると、転記作業が不要ですので、作業の効率化とミスを減らすことができます。また、電子媒体ですので、情報管理や検索が容易な上に、劣化や収納スペースが不要です。

画像ファイリングシステム

 医療現場には、さまざまな患者情報(診療録、保険証、血液検査などのデータ、レントゲン写真、紹介状、超音波検査や内視鏡などの画像、心電図情報など)がありますが、これらは患者さん毎に整理する必要があります。
 紙カルテの場合、紙媒体の情報はカルテに貼り付け、その他の画像などは倉庫などに保管されています。必要があれば倉庫までとりに行かなければなりませんが、保管が悪いと見つけ出せないこともあります。また、写真などは劣化して何年も前のものは見るに耐えなかったりします。この煩わしさで、過去の検査との比較を怠りがちになります。さらに血液検査などが紙ベースで保管されていても、経年的な変化を容易に比較することが困難です。
 ファイリングシステムは、電子化されたこれらのデータを1つのコンピューター内に保管している(またはいくつかのコンピューターとリンクしている)ので、患者さんの電子カルテを開けば、いつでも簡単に呼び出せるようなっています。さらに、電子データですので、画像の劣化はなく、データベース化された情報(血液検査の検査値など)の比較は容易で、グラフ化や統計処理も瞬時に行うことができます。 最近、CTやMRIなども電子化されたデータで提供されるケースが多く、それらの保管にも最適です。

なすびんネット

 現在、りんくう総合医療センター,阪南市民病院,市立貝塚病院 の3病院に関しては、
 患者様からの承諾書があれば、画像、血液検査、投薬などの情報をインターネットを介して、閲覧可能です。
 また、CTやMRI画像については、データのダウンロードを許可されており、当方のViewerで確認することができます。  残念ながら、診療所からのデータをこのシステムにUPすることはまだ実現されていませんが、体制さえ整えば、当院ではいつでも行えるように準備しています。診療所からのデータをUPすることができれば、当院に通院中の患者さんが連携病院を救急受診した際に、当院での治療や検査について、24時間365日いつでも確認を行っていただくことができますので、患者さんには安心いただけるシステムとなります。

オンライン資格確認・電子処方箋

 オンライン資格確認は、令和5年4月から、厚生労働省が、原則、医療機関へ義務化することになりました。
 マイナンバーカードで本人確認を行い、保険証の資格確認と特定健診のデータを閲覧できるようなシステムで、当院では令和4年8月から導入しています。
 また、電子処方箋に関しては、令和5年8月から対応できるようになりましたが、電子処方箋システムに移行すると、従来の(紙の)院外処方箋を発行するのに手間がかかります。現時点では、周辺の調剤薬局で電子処方箋に対応できるところが限られており全面的に移行するにはまだ時間がかかりそうです。
 電子処方箋を導入すると これまでの処方情報や調剤情報を参照することができます。